#18 レジャーサーフィンのすすめ

Posted on : April.28.2022

「見る」ではなく「する」サーフィン

近年、競技としてのサーフィンが盛り上がりを見せています。代表的なサーフィンコンテストは、やはり2020東京大会。普段はサーフィンコンテストを観戦しない人も注目した大会となりました。他にもWSLのチャンピオンシップツアー(CT)では、日本人選手が初めて世界ランキングトップの称号であるイエロージャージを着用したり、CTクオリファイを争うチャンレンジャーシリーズ(CS)が行われたり、サーフィンのコンペティションシーンに関する話題は事欠きません。2024パリ大会以降もサーフィンが世界大会に採用されているので、これからも競技としてのサーフィンはスポーツの分野でますます発展していくでしょう。

しかし、当然ですがサーフィンは最初から競技やスポーツだったわけではありません。古代ポリネシアの時代、漁の帰りにボートで波に乗ることからサーフィン=波乗りが始まったと伝えられていますし、ハワイのカメハメハ大王が嗜むなどサーフィンはハワイの先住民たちが広く愛好している遊びでした。日本でも木の板を使って波に乗る「板子乗り」が子供たちの間で行われていたという江戸時代の文献が残っています。つまりサーフィンは文化であり、娯楽だったのです。現代でもプロ・アマ問わずサーフィンコンテストに参戦する人よりも、休日などにサーフィンを愛好する人の数の方が圧倒的に多いでしょう。誤解を恐れずに述べれば、サーフィンは「見る」よりも「する」アクティビティ、つまりレジャーであると言えます。

サーフィンは自己満足が大事

改めてレジャーとしてのサーフィン最大の魅力は、自分にとっての「いい波」のときに最高に気持ちのいいライディングをすることです。それは昔から変わっていません。サーフボードやウェットスーツなどのギアがいくら進化しても、サーフィンのライディング技術がいくら進歩しても、波の上を走る滑走感や、自然との一体感は不滅なのです。そこに制約はありませんし、ルールやマナーを守って自分が楽しむことこそが正解です。特に気温がぐんぐんと上がってくるこれからの季節、さわやかな青空の下、気の合う仲間とサーフィンを楽しむ。それが普段から通っているサーフポイントでも、少し足を伸ばして向かった場所でも構いません。要するに自己満足を得られればいい。それがレジャーとしてのサーフィンの本質だと思います。

ただ、より大きな満足を得られるサーフィンの方法があるのも事実です。そこで鍵となるのは、1.「自分の心の状態」 2.「レベルに合った波」 3.「波と自分の気分に合うサーフボード」 4.「一緒にサーフィンする仲間」 5.「サーフィン前後のアクティビティ」などです。

子供と一緒にサーフィンして波をシェアすることも、最高なサーフィンの楽しみ方の一つ

レジャーサーフィンを楽しむためのコツ

1. 「自分の心の状態」 
当然ながら、自分の心がサーフィンするのに適した状態でないとサーフィンを楽しめません。落ち込んだときや気分が晴れないときにサーフィンすることですっきりすることはもちろんありますが、もし思うように波に乗れないことでイライラするほどの精神状態の場合は、サーフィンするのに向かないかもしれません。サーフィンはあくまでも波という自然と対峙するアクティビティ。自分よがりではなく、自然に自分を合わせる心構えが必要です。

2. 「レベルに合った波」 
自分のサーフィンのレベルに合う波にパドルアウトすることは、サーフィンする上での基本スタンスです。無理して大きな波でサーフィンしようとしても、波に乗れずに楽しめないばかりか、大きな事故に繋がる可能性もあります。自分のサーフィンスキルを把握し、決して無理をしない。これを忘れないようにしましょう。

3. 「波と自分の気分に合うサーフボード」 
サーフポイントに着いたときに、とてもホレた波なのにロングボードしか持っていなかったらどうでしょう? かなり高いスキルを持っていれば乗れないこともないかもしれませんが、そんな波にロングボードが最適かと問われれば、決してそうではありません。やはり波に合うサーフボードの方がサーフィンしたときの楽しみは大きくなります。逆に波が小さいのに、ビッグウェーブ用のショートボードガンを持ち出しても最大限の楽しみは得られません。そんなときは小波に適したロングボードやオルタナティブ系ボードを持ち出した方がいいでしょう。もしどうしても大きめの波でサーフィンしたい気分の場合は、そういう波が割れる場所に移動するなどした上で、その波に合うサーフボードをチョイスするのがベスト。比較的どんなサーフボードでも楽しめるコンディションのときは、自分が乗りたいサーフボードを選ぶといいでしょう。そうやってポイント選びとサーフボード選びをするためには、事前に波の情報を集めることが重要です。準備することで最大限サーフィンを楽しむことができます。

4. 「一緒にサーフィンする仲間」 
もちろん1人で気ままにサーフィンするのもいいですが、その楽しさを共有できる仲間がいればサーフィンはより充実したものになります。その日、自分が乗った最高の一本をサーフィン仲間が見ていて、「あの一本良かったね」なんて言われたらどうでしょう? 気分が高揚すること間違いありません。逆に仲間のサーフィンを見て、ああでもない、こうでもないと言ったりするのも楽しみの一つ。海の中でサーフボードを交換するのももちろんアリです。

5. 「サーフィン前後のアクティビティ」 
海のそばに住んで日常的にサーフィンしている人ならいざ知らず、多くの人が海に通ってサーフィンをしているはず。そんな人たちが、海に行ってただ波に乗るだけでサーフィンを終えるのはもったいない。どうせなら行き帰りの道中を含め、楽しんだ方が得です。好きな音楽をプレイリストに入れておいてそれを聴きながら海に向かう、ランチに地元の美味しいものをいただく、帰り際に温泉に立ち寄るなど、サーフィン前後の楽しみ方はいろいろ。近くのサーフショップに立ち寄って、買い物がてら情報収集なんていうのもいいかもしれません。

関連JOURNAL:https://hurley.jp/journal/spring-surf/

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