#3 春の海へ

Posted on : April.28.2021

海に行きたくなる季節

春は始まりの季節。気温の上昇と共に誰もが活動的になり、なにか新しいことに挑戦したくなります。もちろんサーフィンも始めるには絶好のタイミング。地域によってはまだ海水がひんやりすることもありますが、まるでミノムシのように重い冬用のウェットスーツに身を包んで海に入る必要もなく、波のサイズもお手頃で、台風からのドデカい波を前に恐怖でおののくようなこともないでしょう。

サーフィンに初めて挑戦する方は、まずは最も“使える”厚さが3mm程度のフルスーツのウェットスーツをお薦めします。夏を除き、春先から冬の手前まで着用できるので、フルスーツを一着手に入れれば効率的かつ快適に長い期間サーフィンを楽しめます。もし冬の訪れまでにサーフィンにどっぷりはまったなら、今度は冬用のドライスーツを手に入れましょう。その頃にまた、ウェットスーツ選びのコツをお伝えします。効率的なギアの入手タイミングであることからも、春はサーフィンを始めるベストシーズンだと言えます。

サーフィンをすでにやっている人にとっても、春は楽しい季節です。意外と知らない人も多いですが、冬は重いウェットスーツとそれによる運動機能の低下から、少し浮力のあるサーフボードが必要になります。つまり、動きづらい重量のあるウェットスーツと、分厚いサーフボードという組み合わせでは、いつものシーズンのように機敏なライディングをすることができず、むしろ修行のような様相を呈するということ。逆に考えれば、それらから解放される春は、分厚いサーフボードをボードロッカーにしまい込んで、さまざまなタイプのサーフボードに自由に乗ることができるのです。冬の間にオーダーした新しいコンセプトのサーフボードに乗るのもいい。よりプログレッシブなハイパフォーマンスショートボードで軽やかに波を切り刻んでいくのもいい。サーフブーツも脱げるから、足裏でサーフボードの感覚を直に感じることもできて、想像以上にサーフボードを自在に操れるに違いありません。

春サーフィンを楽しむには

春のサーフスポットといえば、最初に名前が挙がるのが新島でしょう。この島の砂浜を形成するコーガ石は、白く、軽いのが特徴。そのため、海底の地形が変化しやすく、それに応じて波質もすぐに変わってしまいます。ただ、4〜5月にかけては冬の間に吹いた典型的な季節風である北西風の影響でビーチに砂が堆積し、地形が決まりやすくなります。そこにうねりが入ってくると、見事なまでのパーフェクトウェーブを作り出すのです。透明度の高い海と明るい雰囲気で、サーフィン気分が自然と昂まるでしょう。ただし、ここでいう新島の「いい波」は、あくまでも上級者向けの話。時にチューブが出現することもあるこの時期の新島は、初心者〜中級者にとってはハードルの高い波なので、自分の技量が追いつかないと感じたならば素直に見物に回るのが賢明です。

春はお手頃なサイズでサーフィンを楽しめる季節で、新島のような場所を除き、どんなレベルのサーフィンでも受け入れてくれますが、この時期にサーフィンする上で気にかけたいのが潮の干満です。春は一年のうちで潮の満ち引きの差が最も大きくなるシーズン。さらに日中の方が夜よりも潮が大きく引くので、海に入るタイミングを間違えるといい波にありつくことができなくなってしまいます。逆に各サーフポイントの特徴を知り、タイミングを合わせて海に入れば、潮の大きな干満によってより良い波に出会うことができるはず。サーフィンは波との一期一会の出会いなので、その瞬間をできるだけ楽しめるように、春のサーフィンを工夫してみましょう。

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