Posted on : June.16.2023
4月15日と16日の両日で行われたNSAの「第31回ジュニアオープンサーフィン選手権(2023)」。この大会の各カテゴリーでHurleyライダーたちが優勝や入賞を果たしたことは先日のNEWS記事でも紹介しました。今回は、優勝者の生の声と共にその偉業を改めて振り返ります。
関西屈指のビーチブレイクのもとで
会場となった地は高知県東洋町の生見海岸、通称「生見サーフィンビーチ」。徳島県との県境に位置する有名なスポットです。小さなうねりでも敏感に反応することから、特に関西方面のサーファーには人気で、主要なコンテストも多く開催されます。今回の大会は2日間に渡って行われ、波のサイズがコシからオーバーヘッドまで急激に変化するタフなコンディション。若い年齢のまだ体力が十分ではない選手たちにとっては、技術のみならず対応力、精神力も試されることになりました。そんな中で、男子の全クラスで優勝を果たしたのがHurleyライダーというのは、改めて彼らの実力の高さが浮き彫りとなったと言えるでしょう。
先手必勝が功を奏す
ジュニアクラスを制したのは岩見天獅選手。これまでにも大舞台を経験し、結果も残してきたプロサーファーですが、今回も抜群の安定感と爆発力で優勝。第28回大会からの4連覇をなり遂げると同時に、ISAジュニア世界大会の出場権を獲得しました。
「自分が勝つために、今、どう動かなければいけないかということを優先し、ヒート中だったとしても状況に合った作戦を立てていくことを考えていました。普段の試合ではクオリティのある波を待つのですが、今大会は1ヒート15分しかない中で波数が少なく、サイズも大きくなかったので、とにかく波の入ってくる場所で待つことにしました。それが優勝の決め手になったと思います。これでISAジュニア世界大会に出られることになったので、そこで優勝することが次の目標です。さらにはWSLではQSのアジアリージョンでランキング1位になってCSの出場権を獲得することも目指していきます。そのゴールを達成するために、サーフボードの開発やトレーニングはもちろん、自分より格上の選手たちと練習できるような環境に身を置いて自分をプッシュしていきたいと思います」(岩見天獅選手)
自分の得意技で勝負
ボーイズクラスを制したのは小野里弦選手です。ダンパーのセットへアプローチし、自ら「得意技」と言うエアーリバースを見事にメイク。その一本で9.0をスコアし、ベストライディング賞も獲得したアップカマーです。
「作戦としては、得意のエアーリバースができる波だけを狙って、いつもの自分を出し切ることでした。そのためにフリーサーフィンのように平常心で臨むことが大事だと考えていましたが、それができたこと、そしてエアーリバースをたくさん決めることができたことが、優勝の決め手だったと思います。これでISAジュニア世界大会の代表選手に内定したので、優勝したいです。それには、さらなるトレーニングと練習、試合の研究が大事になってくると思っています」(小野里弦選手)
楽しみながらの優勝
キッズクラスで優勝したのは、和氣堆人選手。接戦の中でも勝ち切る強さを発揮し、コンペティターとしての才能を存分に見せつけてくれました。また、大会敢闘賞も受賞しました。
「とにかく楽しんで試合をすることが大事だと思っていました。その中で、海に入る前に波の来る場所を見つけて、海の中ではセットが来る方向にしっかりと動き、その波でできるベストなライディングを心がけました。ファイナルではそうやって狙っていたセットの波に乗ることができ、良いスコアを出せたので良かったです。あと、コシくらいのライトの波に乗って、ストレートエアーをメイクし、5.75をスコアできたのもいいライディングになりました。もともとレールを意識したボトムターンからのカービングや、厳しいセクションへのロールインが得意技でしたけど、最近少しずつトライしているエアーの練習の成果が出たのだと思います。次はもっと高得点を2本しっかり揃えられるようにして、キッズランキングで1位になりたい。プロトライアルにも出て、7点以上の点数が出せるようにがんばりたいです。それには試合をイメージした練習をいっぱいやって、どんな状況でも勝てるように、最後の5分くらいをイメージして練習していきます」(和氣堆人選手)
近未来の日本サーフシーンを牽引
今回、Hurleyライダーが活躍したのは、これら3人の優勝者だけに限りません。ジュニアクラスでは渡邉壱孔選手が準優勝、キッズクラスでは飯田翔人選手が4位に入賞しました。この大会は、プロ・アマ問わず18歳以下の選手の中で日本一を決める最高峰のジュニアイベント。そんな大会で一つのブランドからこれだけ多くの若いコンペティターたちが結果を残すということは、過去に類を見ない快挙と言えるでしょう。これもひとえに彼らが目標をしっかりと定め、ひたむきに努力を続けてきたからに他なりません。
今回の結果によってISAジュニア世界大会の代表選手に選ばれた岩見天獅選手と小野里弦選手は、異なる波のもと、世界中から集まる実力者を相手に真剣勝負を繰り広げることによって、経験を積み、よりスケールの大きな選手に育っていくに違いありません。今後の代表入りを狙う和氣堆人選手は、先輩たちの活躍を見てさらなる飛躍を目指すことでしょう。惜しくも優勝には手の届かなかった渡邉壱孔選手と飯田翔人選手は、この悔しさをバネにして、以降の逆襲が期待できます。
サーフィンは個人競技ではあるものの、各クラスで日本屈指の実力を持つサーファーたちがHurleyというブランドのもとに集まっているというこの事実は、同じチーム内の選手たちがお互いに刺激し合い、切磋琢磨をしながら良い循環を作り出しているということの証拠でしょう。彼らHurley若手ライダーたちが日本を代表するサーファーとしてシーンを強力に牽引し、世界へと大きく羽ばたいていく姿を今後も楽しみに見守っていきましょう。
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岩見天獅選手オフィシャルインスタグラム:https://www.instagram.com/tenshiiwami/
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