#60 「前後」だけでなく「上下」の打点ズレにも注意しましょう!プロもやっている”ウェッジ・パッティング”は球の転がりが良くなる効果的なパター練習

Posted on : December.27.2024

狙ったところにボールを転がすには、芯でボールをヒットすることが大切です。芯とらえればサイドスピンが入らずにボールに順回転がかかって真っすぐ転がすことができます。そのためには「前後」だけではなく「上下」の打点ズレにも注意しなければいけません。しかし、目視できない「上下」の打点を合わせるのは難しいですよね。そこでオススメしたいのが、トッププロも取り入れているウェッジの刃で球を転がす練習です。


タイガー・ウッズはなぜウェッジでパター練習をしていたのか?

以前、アメリカPGAツアーの公式SNSでタイガー・ウッズ選手がパッティンググリーンで練習をしている10数秒の動画が投稿されたことがありました。一見、カップに向かって2~3メートルの距離を打っているだけなのですが、パターでパッティングした後、まったく同じ位置から今度はウェッジを使ってボールを転がし始めるのです。その後、再びパターに持ち替えたところで動画は終了しました。
ウェッジはパターに比べてロフト角が大きいクラブです。そのため、パターと同じようにボールを転がそうとすると、打ち出しでボールがポーンと浮き上がってしまいます。しかし、ウッズ選手がウェッジで打った球は、出だしからコロコロとキレイに転がっていました。
実はこの練習、日本ツアーのパッティンググリーンでも見かけることがあります。スタート前にこのドリルをしているプレーヤーが鍋谷太一選手です。彼はウッズ選手のようにパターとウェッジを交互に打つのではなく、ウェッジだけでひたすらボールを転がしています。
2人はなぜこの練習を取り入れているのでしょうか。


芯で打つには「前後」だけでなく「上下」の打点も合わせなければいけない

転がりの良いパッティングをするには、芯でボールをとらえる必要があります。「芯で打つ」というと、トゥ側やヒール側に外れないようにインパクトすることをイメージする人が多いはず。しかし、実際は「トゥ側~ヒール側」の前後だけでなく、上下にも打点を外さずに打たなければ芯で打ったことにはなりません。
とはいえ、アドレス時の視線からは前後の打点ズレは確認できますが、上下のズレは把握できません。そこでウェッジでパッティングをする練習が役立つわけです。
ボールが空中に浮かないように打ち出しから転がすには、ウェッジの刃でボールの赤道付近をヒットする必要があります。ウェッジはロフト角が大きいため、赤道の下側をヒットすればボールが上がってしまいますし、赤道の上に当ててもキレイに転がってくれません。「ウェッジ・パッティング」は、上下の打点を揃えるのにとても効果的なドリルなんです。


試合中もパター以外のクラブでパッティングをした選手がいる!

話しは少し逸れますが、2024年の国内男子ツアー『中日クラウンズ』の第2ラウンドでこんな出来事がありました。同組のショーン・ノリス選手、池村寛世選手、片岡尚之選手のうち、ノリス選手と池村選手がグリーン上でパターを使わずにパッティングしていたのです。3人中、2人がグリーン上でパター以外のクラブを使用するという珍しい光景でした。
池村選手はあるホールでボギーを打ち、苛立ってパターをポーンと軽く蹴ったところ、シャフトのカーボンとスチールの溶接部分から折れてしまいました。一方、ノリス選手はピッチマークを直そうとパターのソール部分でポンポンとグリーンを均したタイミングでネックから先がポロっと取れてしまったそうです。
パターを失った後、長尺パターを使っていたノリス選手はドライバーをパター代わりに、池村選手はウェッジをパター代わりにしていました。ドライバーとウェッジでパッティングをしていたノリス選手と池村選手でしたが、長いパットを決めるなど、アクシデントに動揺することなくプレーを続けたようです。
興味深いのは池村選手のプレー後のコメントでした。「転がりがすごく良くてラインに乗せやすかったです。パターの調子があまり良くなかったのですが、ウェッジのリーディングエッジでボールを転がしていたことで良い感覚が戻ってきました。これから練習でも取り入れてみようかな」と、パターを蹴って破損してしまったことを反省しつつ、“ウェッジ・パッティング”の効果を感じていました。


自宅のパターマットで「ウェッジ・パッティング」を練習しましょう

2024年シーズンの国内男子ツアーでは、もうひとりグリーン上でウェッジを使ったプレーヤーがいます。「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」の石川遼選手です。14番(パー3)のグリーン上。複雑で難度の高いラインからのファーストパットを打つ場面で、「パターで打つと2~3メートルはオーバーする」と判断してウェッジを使用しました。しかし、この時の石川選手は前述した“ウェッジ・パッティング”の打ち方とは異なります。ボールの下に刃を入れて強いスピンをかけるという高度な技を披露して50センチにピタリと寄せました。
パター以外でパッティングするシーンは、プロの試合で稀に見かけますよね。しかし、一般ゴルファーは注意が必要です。ゼネラルルールでは認められている一方、グリーンを破損する恐れがあるため、一般営業のゴルフ場ではローカルルールで禁止となっている場合が多いからです。
私たち一般ゴルファーはゴルフ場ではなかなかできない打ち方ですが、自宅のパターマットで打つだけでも十分効果があります。「ウェッジ・パッティング」でボールを転がしてパターの名手を目指してください。

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