Posted on : August.17.2022
多種多様なサーフボード
最近では広く認知されるようになってきている競技スポーツとしてのサーフィン。大小さまざまなサーフィンコンテストが各地で行われ、世界最高峰のツアーであるチャンピオンシップツアー(CT)も盛り上がりを見せています。しかし、コンペのサーフィンが始まるよりずっと前からサーフィンは人々に親しまれ、ライフスタイルとして根付いてきました。そして、サーフボードの進化と共に乗り方も変化し、今ではログと呼ばれるクラシックなロングボードやハイパフォーマンスのショートボードなど、さまざまな形でサーフィンが楽しまれています。
1900年代初頭、モダンサーフィンの父と言われるデューク・カハナモクがサーフィンを世界的に広めましたが、その頃のサーフボードは木で作られていました。次第に木材の中でもバルサ材がサーフボードの素材として採用されるようになっていきますが、1950年代後半、現在の主流となるウレタンフォームによるサーフボード制作が始まります。そこからサーフィンは大きく発展し、多種多様なサーフボードやスタイルが生まれていきました。
自らの好みを知る
サーフィンはスタイルを競うスポーツではありませんが、スタイルは重要な要素。まずはどんなボードに乗りたいのか。それがサーファーの基本的なスタイルを決めます。例えば波のブレイクに合わせて優雅に乗りたいならロングボード、波を切り裂くように派手なアクションをしたいならハイパフォーマンス・ショートボードといったように。ただ、ロングボードとはいっても、レールにエッジのないシングルフィンなのか、軽量でスタビライザーがついたパフォーマンスタイプなのかによってスタイルは大きく違います。時代の流れによって主流は変わっていきますが、今の傾向としてはロングボードでも重く、エッジレスなシングルフィンがクールとされているように思います。
いろいろな上手いサーファーを映像などで見てみると、ハイパフォーマンス・ショートボードにおいてもさまざまなスタイルがあるのがわかります。きっちりとレールを使い、パワーを存分に使ってターン中心に波を攻めるサーファーや、オーソドックスなリッピングをせず、常に波のトップでフィンを抜いたりテールをスライドさせたりするトリッキーなライディングをするサーファー、チャンスと見るやいつでも派手なエアーを繰り出すサーファーなどなど。自分がどんなサーファーが好きなのか、YouTubeなどで探してみるのもおもしろいはずです。
最近ではミッドレングスに乗るサーファーも多くなっています。ミッドレングスとは、その名の通り中庸な長さのサーフボードのこと。だいたい7’から8’前半の長さのボードが当てはまります。ミッドレングスはテイクオフが楽で、取り回しも容易、かつ波も選ばないという特徴がありますが、それだけではなくスタイリッシュな乗り方もできるため、ショートボーダーやロングボーダーのセカンドボードとしての人気も高いです。
波と共に乗る
その他にも波の上を滑走するように走っていくツインフィンのフィッシュや、シングルフィンから派生したボンザーなど、実にいろいろなタイプのボードがあり、特徴を持っています。基本的には自分の好きなボードに乗るのが一番いいのですが、どんなボードでもスタイルを表現していくのならば変わらない不文律があります。それは「波に合ったボードに乗ること」「波のブレイクに合わせて乗ること」「強引に技を仕掛けないこと」といったことです。波というのはサーファーが変えることができないもの。だからこそいつでもサーファーの方が寄り添い、合わせていく姿勢が大事、ということなのです。そして、なにより一番重要なのがサーフィンを楽しむこと。どうしたら最も楽しむことができるのか、それを考えてボードを選び、海に入り、心を穏やかにして波に乗っていけば、自ずとスタイルが生まれてくるはずです。
ウェット&ボードショーツにもこだわる
また、サーフィンのスタイルを考察するにあたって重要になってくるのがウェットスーツやボードショーツの存在です。サーフィンは比較的気軽に始められ、カラダ一つ、少ない道具で楽しめるスポーツ。だからこそ、ボードにこだわったあとは着用するものに気を遣うようにするといいでしょう。もちろん機能性に優れているウェットやボードショーツが大前提ではありますが、ウェットでもロングボーダーはシーガルではなくロンスプやロンジョン、前ジップのタッパーを好む傾向があり、ショートボーダーは逆にロンジョンではなくシーガル、タッパーも後ろジップのものを選ぶ傾向にあります。ボードショーツについては、カラーや柄以外に丈の長さもアイテムを選ぶ際の要素になってきます。クラシックなスタイルが好きなサーファーは比較的短い丈のボードショーツをチョイスし、最新のスタイルが好きなサーファーは少し丈の長いボードショーツを着用する場合が多いです。
ただし、すべてにおいてスタイルに正解はなく、自分がいいと思ったものを使用するのが一番。重いシングルフィンのロングボードに乗る人が、丈の長いボードショーツを着用するのもアリ。派手なエアー系トリックを得意とするショートボーダーが、前ジップのタッパーと短い丈のボードショーツを組み合わせるのだってもちろんアリ。他のサーファーが使っているからという理由ではなく、自分が好きなものにこだわることこそ、本当の意味でのスタイルなのかもしれません。
関連JOURNAL:https://hurley.jp/journal/journal_23/
ウェットスーツ一覧をみる:https://store.hurley.jp/collections/mens-wetsuit
ボードショーツ一覧をみる:https://store.hurley.jp/collections/mens-boardshorts