#27 Hurleyライダー・クロストーク vol.2

Posted on : November.18.2022

10月に来日したコナー・オレアリーが、日本の主要なHurleyライダーたちとサーフセッション&トークセッションを開催。そのときの模様を前回に引き続きお届けします。
登場ライダー:コナー・オレアリー、大原洋人、関本海渡、岩見天獅、渡辺壱孔、丸山千朝。 

上段左から:コナー・オレアリー、大原洋人、関本海渡 / 下段左から:岩見天獅、渡邉壱孔、丸山千朝

サーフボードを語る 

―皆さんが使っているサーフボードについて、特徴とこだわっている部分を教えてください。 

(テンシ)こだわっている部分はスピード。とにかく走ってくれるボードが好きで、スピードとドライブ性能さえあればあとはどうにかなるかなと思っています。その部分はフィードバックを密にしてやっていますね。具体的にはレールのエッジを他の人のボードよりも少し外に出すセッティングにしたり、レールの厚みを落としてもらったり。ボトム形状はシングルコンケーブが好きなので、どんな小波でも、EPSのボードでもシングルコンケーブにしています。ディメンションは5’10 1/2”×18 3/4”×2 5/16”か2 3/8”で、ボリュームは26Lくらい。 

(コナー)テンシは17歳なのに体が大きいもん。俺も同じで、ボードはスピードがあったらいい。大切だよ。あと、俺は90kgあるからボリュームも必要。速いボードはみんな好きだし、スピードがあればなんでもできるから。ボトム形状はシングルダブルが好き。シングルもいいけど、いい波用って感じ。特に小波とかならシングルダブルだね。オーストラリアのシェイパーはシングルダブルが多いよ。JSとかそうだよね、洋人。 

(ヒロト)そうなんだ。 
(カイト)知らないの?(笑) 

(コナー)ボードをオーダーするときは、これと同じのもう一本、みたいな感じ? 

(ヒロト)そうそう。「あれが好きだった」っていう感じでオーダーしてる(笑)。 

(コナー)JSやDHDなんかはぜんぶシングルダブルだよ。シングルにしてるのはシャープアイくらいじゃないかな。 

(ヒロト)そうなんだ! 

(カイト)オーストラリアのボードって、テールエリアのレールがスクエアになってない? 

(ヒロト)それが普通だと思ってた。最近はずっとJSしか乗ってないから。 

(コナー)俺のボードは、ディメンションが6’1”×19.25”×2.5”で、31Lくらい。だって体がデカいもん。188cmで90kgだから。 

(ヒロト)その体つきでよく飛べるよね。 

(コナー)頑張ってるよ(笑)。でも他のCT(チャンピオンシップツアー)選手でデカい人もいるけど、みんな飛べるよね。 

(ヒロト)身長とか体つきとか、コナーはCT選手の中でもデカい方でしょ。なのにCT選手の中でも小さい波が上手いよね。 

(コナー)(出身地)のクヌラの波が良くなかったからね。それで小波に慣れた(笑)。 

(ヒロト)俺のボードのディメンションは、5’8”か5’8 1/2”×18 5/16”か18 3/8”×2 5/16”か2 3/8”。だいたい25Lちょっとかな。ボードに対してこだわりがないというか、たぶんJSのボードのいい部分が自分のこだわっている部分と一緒だったから好きになったんだと思う。JSの特徴は速いとか、ターンにキレがある部分とか。だから希望のディメンションだけ伝えて、前のボードはどうだったくらいしか言わない。それで届いたボードが前のよりどんどん良くなっていってるっていう感じ。例えば調子のいいボードがあって、それと同じディメンションのボードを3本オーダーすると、そのうちの1本が前のボードよりいい感触になってたりする。 

―コナーの場合、常に同じメーカーのボードだけ乗っているわけじゃないですよね。調整は難しくないですか? 

(コナー)(メインで使っている)メイヘムとDHDはけっこう似てるからね。DHDをメインに使っている他のライダーでも、カリフォルニアに行ったときはメイヘムをオーダーするくらい。だから調整は簡単だよ。 

(チアサ)私もヒロトくんと同じでほとんどこだわりはなくて、乗ってみて「これがいい」と思ったら乗るっていう感じです。ただ、日本に来たら日本のシェイパーのボードの方が調子いいですね。普段Vanksyのボードに乗ってるんですけど、日本の波だと特に調子がいい。日本の波をメインに考えてシェイプしている人なので、やっぱりそうなるのかなって思います。 

(コナー)ハワイの場合も同じだよね。ハワイに行ったら、ハワイのシェイパーのボードが調子いいし。グレン・パングとウェイド・トコロに乗るけど、やっぱりハワイの波に合ってる。 

(ヒロト)俺もハワイだとグレン・パングのボードを使うけど、やっぱり調子がいい。なんでなんだろう? 

(コナー)知らない(笑)。 

(ヒロト)全然違うよね。ボード自体が大きいのに、すごく動く。 

(チアサ)私の場合、スピードがあって、トップターンのときにフィンが抜けやすいボードが好きですね。ディメンションは5’8”から5’9”の長さで、24Lくらい。体重の増減がすごく大きいので、それに合わせてリッターを調整しています。 

(カイト)自分の場合はチューブの波を狙うことが多いんですけど、そんなときは重めにラミネートしたボードを使うようにしています。そうするとフォームボールがあっても抜けやすいので。あと、クアッドフィンのセッティングにすることもあります。チューブがぐしゃぐしゃって崩れちゃっても走って突き抜けてくれるんで。普段使っているボードは5’9”×18 3/16””×2 3/16”で、24Lくらい。 

(イッコウ)俺はレールが落ちたボードが好きです。レールを落として真ん中にボリュームがいくような感じにしています。その方がレールが簡単に入っていくような気がするので。レールワークがしやすいボードが好み。5’9 1/2”×18.30”で23Lくらいですね。 

(コナー)23L!ちっさ(笑)。 

(イッコウ)体重が56kgなんで。 

(コナー)ヒロトは何キロ? 

(ヒロト)64kgくらい。俺の方が(身長が高いイッコウより)全然重い(笑)。テンシは体重何キロ? 

(テンシ)71kgくらいです。身長が176cm。 

(ヒロト)俺より15cmも高いのに、体重は5kgしか変わらない(笑)。 

(コナー)今はオフシーズンだから(笑)。 

(ヒロト)日本の波で試合をやるときは61kgまで体重を減らすけど。 

(コナー)俺も同じ。88kgまで減らすことはあるよ。 

(ヒロト)逆にハワイの試合だったら、マックスで65kgまで増やすし。それでも自分の体は軽く感じるんだよね。 

(コナー)体重を減らすときは、ハンティントンとか小波の試合の前だね。 

(テンシ)どうやって減らすんですか? 

(コナー)ビールを飲まないようにする! 

(一同)(笑) 

(コナー)あとはご飯を半分にする。少しだけダイエットするんだけど、基本的に食べるの大好きだから大変。 

(チアサ)でも、筋肉を落とさずに体重を減らさないといけないじゃないですか。それって時間かかりますよね? 

(コナー)難しいよ。だからちょっと前から計画的に減らすようにしたり。でも、今のCTはヘビーな波の会場が多いからね。サンセット、マーガレットリバー、ベルズ…。ぜんぶヘビーウォーターだよ。 

―ファイナルズに進出した場合はロウワーズになるから、体重は少し軽くしなきゃいけないわけですよね? 

(コナー)軽くていいよね。そういう風に調整しなきゃいけない。 

サーフィンスタイルの自己分析 

―自分自身のサーフィンの特徴はどんなところだと思っていますか? 

(コナー)トクチョウってなに? 

(チアサ)Strength. 

(コナー)あぁ、オッケー。 

(テンシ)自分のサーフィンの特徴は基本に忠実なところかな。派手なサーフィンよりも、太いラインを描くサーフィンの方が好きなので。そういうサーフィンをしてきたつもりです(笑)。エアーはマジで下手くそで、出遅れてるけど、(勝つには)絶対にやらなきゃいけないとは思っています。ただ、自分としてはビッグカーブが好きなので、エアーして勝つというよりは、思いっきりのいいマニューバーでわからせて勝ちたい。 

(コナー)俺も同じ。エアーできないから。 

(ヒロト)いやいやいや(笑)。よく言うよ! 

(コナー)全部パワー。でもエアーは大切だもんね。難しいけど。 

(ヒロト)俺の場合はスピードかな。 

(コナー)ヒロトは速いよね。 

(ヒロト)自分では速いと思ってなかったし、今でも思ってないけど、「自分のマックスのスピードがこれだから、この速さでターンをしよう」って思って自分なりにやってきただけ。でも、そう言われることが多くなってきたときに、「これが自分のサーフィンのいいところなんだな」って理解するようになって。だって、コナーがQSに出てたとき、対戦することになっても、パワーじゃ絶対に勝てないじゃないですか。だからなにか違いを出せるように心がけていますね。ボードの長さについても、自分の身長だったらもっと短い設定でもいいけど、背が小さい分長めのボードにして、でもそれを長く見えないように乗って、スピードを出す、みたいな。スプレーも、パワーのあるサーファーと同じようにっていうのは無理だけど、小さく見えないようにしたり。 

(コナー)ヒロトは身長は小さいけど、けっこうパワフルだよ。 

(ヒロト)ほんと? 

(コナー)スプレーもいっぱい飛ばすじゃん。 

(ヒロト)いやいやいや。自分ではスプレーを飛ばせないと思ってるんだから。「どうやって飛ばしたらいいんだろう」っていつも考えてるくらい。コナーはスプレーが超飛ぶじゃん。「あー、これは体重が重いからスプレーが飛ぶんだ。じゃあ俺には無理だ」って思ってる。 

(コナー)でも、そんなに体が大きくないサーファーでもスプレーを飛ばす選手はいるよ。タイミングだと思うけど。 

(ヒロト)だから、テンシみたいにパワーでベーシックなサーフィンっていうよりも、どの波でもオールラウンドに技を仕掛けられるように心がけてる。カービングもするし、リッピングもするし、フィニッシュでエアーもするし。トータルで頑張って、パワーサーフィンの人に勝てるようにする、みたいな。 

(コナー)やっぱりヒロトは速いんだけど、その中にパワーもあるように見える。スピードとパワーのコンビネーションが特徴だよね。 

(カイト)メリハリがすごくあると思う。 

(ヒロト)ほんとですか?コナーのサーフィンは、ひとことで言うと「爆発」(笑)。一回一回のターンの爆発がすごい!俺が一生かかってもモノにできないサーフィンをしてる。体がデカくて爆発力があるのに、その特徴を大きい波でも小さい波でも出せるのが、海外の他の体の大きな選手との違いかな。コシくらいのサイズのマンリーでも高得点を出せちゃうのに、マーガレットリバーみたいな大きな波でも同じようにできるんだから。それでエアーもできるし。 

(チアサ)私の場合は、一発大きくメイクするようなサーフィンが特徴かな。Quality over quantity(量より質)っていう感じで、一つ一つのターンの質を大切にしています。他の人から見たら違うかもしれないけど(笑)。あとはスピードがあったらいいなとは思います。 

(カイト)自分の場合はスピードとキレかな。あまり力まないようにして柔らかく、キレイに、スタイリッシュに乗れるように心がけています。コンペティターじゃないので、一発でもいいからキレイにヒットできればいいかな。見栄えを考えて。サーフィンは性格が出ますよね。自分はスピードがつけられたら、コケてもいいから攻めちゃいたいっていうタイプなんで。 

(イッコウ)自分の場合もスピードが落ちないようにサーフィンするっていうのを心がけていますね。スピードをつけたまま、1本の波でターンして、エアーを決めたい。 

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#26 Hurleyライダー・クロストーク vol.1:https://hurley.jp/journal/journal_26/

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