Posted on : November.11.2022
10月にオーストラリアからコナー・オレアリーが来日し、日本の主要なHurleyライダーたちとサーフセッションを行いました。そのあとにはトークセッションも開催。コナー含めたライダーたちの、仲の良さが感じられる話を展開してくれました。今回はその第一回をお届けします。
登場ライダー:コナー・オレアリー、大原洋人、関本海渡、岩見天獅、渡辺壱孔、丸山千朝。
好みの波に関する考察
―まず、自分にとって理想の波はどんな波か教えてください。
(岩見天獅:以下テンシ)フリーサーフィンだったらチューブですね。底ボレしてくる波でライトが好きです。
(コナー・オレアリー:以下コナー)同じ(笑)。同じチューブだけどレフトの波だね。
(大原洋人:以下ヒロト)みんな同じになっちゃうかも(笑)。でも、俺はチューブ入ってから3ターンくらいしたい。理想を言ったら、テイクオフからチューブに入って、抜けてから3ターンくらいして、もう一回チューブに入りたい(笑)。
(関本海渡:以下カイト)欲張りだなー(笑)。
―みんなテイクオフからチューブに入りたいんでしょうか? しばらく乗ってからチューブに入る波じゃなくて。
(テンシ)テイクオフから速攻でチューブが理想ですね。
(コナー)ターンなしでいいよね(笑)。
(渡辺壱孔:以下イッコウ)自分は2回エアーしたいです。サイドからエアーにぴったりな風が吹いていてほしいです。エアーが一番得意なので。
(ヒロト)カイトくんは10ftくらいの底ボレするチューブじゃないですか?(笑)
(カイト)俺は4〜6ftのリバーマウス。
―コナーはどれくらいのサイズが理想ですか?
(コナー)同じかな。4〜6ftくらい。いや、6〜8ftが一番いいな。ちょっとだけ怖さを感じるくらいのサイズ。
―コナーでもそれくらいのサイズになると怖いと思うんですか?
(コナー)うん、やっぱり8ftくらいのチューブになる波は怖いって感じるよ。
(テンシ)俺は8ftになると怖いから、やっぱり4〜6ftくらいがいいですね。
(丸山千朝:以下チアサ)私は5ftくらいが一番好き。カービングとかレイバックとかバリエーションの違うターンが3発くらいできて、最後にエアーが決まっちゃったみたいな、ラッキーでエアーがメイクできるような波質が理想ですね。ライトの波で。
恐怖心と達成感の絶妙な関係
―みなさんは今までいろいろな場所へサーフトリップに行ったと思いますが、その中でベストウェーブはどこですか?
(コナー)サーフトリップはあんまり行かないよね。コンテストばっかりだから。その中でも一番好きなのはタヒチ。絶対だね。特に今年のタヒチはすごかった。8〜10ftあって、(チューブの中が)青くて。怖いけど、メイクできたら最高。みんな(チャンネルから)見てるしね。写真も映像も撮ってるし。
(ヒロト)タヒチは一回だけ行ったことあります。ハーレージャパンの企画でしたね。
(カイト)一緒に行ったよね。
(コナー)大きかった?
(ヒロト)最後は6〜8ftまで上がったかな。俺はバカ怖かった(笑)。タヒチに着いた初日はアタマくらいのサイズだったんですよ。リッピングな波で、たまにいい波はちょっとチューブみたいな。俺はタヒチのチョープーっていう海自体が怖かった。波っていうよりも。映像でたくさんあの波を見てたから、海に入ったときに「ここでこんな波が割れるんだ」っていう恐怖がすごかった。それが抜けないまま、そのときのタヒチトリップは終わったって感じ(笑)。6〜8ftなんて「死ぬな」っていうイメージしかなかった(笑)。
(コナー)チャンネルとテイクオフポジションが超近いよね。すぐケガするよ。
(カイト)失敗したらラグーンって感じ。メイクしなきゃいけないっていう恐怖心はありますよね。失敗したらラグーンに打ち上がって、ボートに戻らなきゃいけない。
(コナー)最後、ライト方向から波が崩れてきてクローズアウトすることがあるから、めちゃくちゃ怖いよ。あと、水がクリーンだからリーフも全部見えちゃうし。
(チアサ)最近、ヘルメットを被る人が多くなったじゃないですか。やっぱりヘルメットは被った方がいいと思いますか?
(ヒロト)コナーは被ってないよね?
(コナー)被ってない。インパクトのときに水が入ってくるし、音があまり聞こえないからね。
(テンシ)俺は、パイプのときはヘルメットなしだといけなくなっちゃいました。怖くて。被っていると安心できるし、頭がちょっとリーフに当たっても大丈夫だし。逆になかったら危なかったのかなとか考えちゃいます。
(コナー)でも、首が持っていかれるでしょ?
(テンシ)ドルフィンのときだけ(ヘルメットに水が入って)持っていかれちゃいます。
(ヒロト)じゃあパイプなんか、沖に出るとき(首が持っていかれて)最悪じゃん(笑)。
(テンシ)はい。何度も「うっ」「うっ」って持っていかれます(笑)。でも、慣れれば全然平気。日本でもリーフでサーフィンするときはヘルメット被りたいなって思うくらい安心。
(ヒロト)カイトくんは被らないよね?
(カイト)俺は被ったことない。でも、顔面をリーフにぶつけたことはある(笑)。パーリングして。セットが来て、いい波だと思って行こうとしたんだけど、その瞬間に波がブワッと膨れ上がってダンパーになっちゃって。すぐに行くのをやめようと思ったんだけどやめれなくて、そのまま下に叩きつけられちゃった。
(ヒロト)しかも、オフザウォールのかなり右側じゃなかったじゃないですか?俺、ちょうどそのときパイプで入ってて、オフザウォールには3、4人しかいなかったんですよ。そうしたら半端じゃないくらいデカいセットが来たんですけど、その波でパーリングした人がいて…。それがカイトくんだった(笑)。同じ宿に泊まってたんですけど、カイトくんが帰ってきたら血だらけになってた(笑)。「岩に当たっちゃった」とか言って。
(カイト)しかもパーリングしたあと、(海面に)上がってきたらもう一本真っ白な波が来て。ドルフィンできないくらい浅かった(笑)。
(コナー)オフザウォールは一番怖い場所だよね。いい波じゃない(笑)。クローズアウトだから。あと、サンセットも怖いよね。
(チアサ)私はクラマスが一番怖かった。浅くて、そのときはサイズもかなり大きくて。でも、波が大きいから怖いっていうよりも、海底に当たるかもしれないから怖いっていう気持ちの方が大きい。
―女子もタヒチでオリンピックが行われるって聞いたときはどう思いましたか?
(チアサ)女子はだいぶ頑張らないと、とは思いました。ちゃんとトレーニングしないとケガしますよね。
(テンシ)俺はいい波を求めて旅をしたことがあまりないので…。でも、なんだかんだ言って、バリはいろんな波でサーフィンできていいかなって思います。あと、ニアスもけっこう良かった。
(コナー)ニアスはいい波だよ。
(ヒロト)俺は…。
(コナー)志田でしょ?(笑)
(ヒロト)いやぁ、やっぱりハワイかな。もちろん恐怖もあるけど、頑張って乗って、チューブを抜けたときは一番フィーリングがいい。オフザウォールでいい波乗ったときは良かったですね。
(コナー)オフザウォールは波に乗れるよね。
(ヒロト)そう。やっぱり人が少ないから、その分チャンスはある。
(イッコウ)俺は四国の河口ですね。そのときはファンウェーブくらいのサイズだったんですけど、波の形が最高でした。
(カイト)河口の波はジャパンクオリティだよね。海外だとジャワ島のパチタンが最高でしたね。俺が行ったときは4〜5ftくらいで、毎日良かった。ライトがダメでもレフトがあるし、レフトがダメでもライトがあるっていう感じで。チューブしかない。しかも、それが一つの湾の両側で割れるんだから、本当にすごい場所だと思う。1日1本すごいチューブを抜けられる波でしたね。ただ、恐怖心がある中でメイクしたっていう意味では、やっぱりパイプかな。レイトテイクオフして、「刺さる!」と思って見上げたらドカーンって感じでチューブに包まれてるなんてこともあるし。
(チアサ)私は試合と関係なく、家族でメキシコのロスカボスに行ったんですよ。そのときのジッパーズっていうポイントの波がベストウェーブです。けっこう空いてて、5ftくらいサイズがあって、お父さんと一緒にサーフィンしてすごく楽しかった思い出があります。
国内サーフトリップの思い出
―日本国内の波だとどこが好きですか?
(コナー)一回四国に行って、リバーマウスの波でやったけど、そのときは超楽しかった。サイズは4ftくらいあって、たまにチューブにもなってた。綺麗だし。リバーマウスはオーストラリアにはあまりないから。
(テンシ)国内なら宮崎ですね。一度行ったときは波が超デカくて、チューブもあったし、いろんな波ができた。それから宮崎は好きな旅先になりました。
(コナー)宮崎はQS(クオリファイングシリーズ)の試合で一度だけ行ったことあるよ。そのときはあまり良くなかったけど(笑)。
(ヒロト)14歳のときに西湘のリバーマウスに行ったんですよ。そのとき、4ftくらいで、テイクオフからチューブに入って、抜けてからターンして、そうしたらインサイドでまたチューブに入って。そんなめちゃくちゃファンな波でした。
(カイト)あれは2012年だね。
(ヒロト)あのときが人生初のリバーマウスだったんですけど、地形がめちゃくちゃ良かった。到着したときはワンピークで、レフトもライトもアタマくらいのサイズでロウワーズみたいにめちゃくちゃキレイに割れてて。「超ファンな波だなぁ」と思って入っていたら、どんどんサイズが上がってきて、結局4ftくらいにまでなったんですよ。だから、朝から夕方の暗くなるまでずーっと海に入りっぱなし(笑)。「なんだ、この波」みたいな。
(カイト)そのときは1週間くらいずーっといい波でしたね。それで、確か8月31日だったかな、朝は4〜5ftだったんだけど、昼くらいからいきなり8〜10ftになって、すごいレギュラーがブレイクし始めた。
(ヒロト)そのとき、カイトくんも海に入っていましたよね?
(カイト)入ってた。
(コナー)あの波はすごいね。
(カイト)あれは日本のサーフィン史に残る波でした。日本国内だとやっぱり西湘とか四国とかのリバーマウスですよね。
(イッコウ)俺は鹿島が好きです。チューブの波っていうわけじゃないけど、ターンができる波だし、人も少ない。波に乗りまくれるいいポイントだなって思います。いつも波はあるし。家から近いからけっこうよく行きます。
(チアサ)私はJPSAの試合があるとき以外、国内を旅することはないんですけど、今のところ新島が一番好きです。波にパワーがあって、(出身の)ハンティントンビーチに似ているところがある。日本の波だとパワーに欠けることがあるから私は苦手なんですけど、新島は波が大きいときは特に好きですね。
関連JOURNAL:https://hurley.jp/journal/journal_23/
関連JOURNAL:https://hurley.jp/journal/journal_25/