#93 フィンセッティングの話。その1

Posted on : April.02.2026

前々回、前回とサーフボードの種類について解説してきましたが、今回はフィンの話。フィンはボードの性能を決める上で大事な要素ですが、ここでは基本となるフィンの本数の違いによるライディングの変化を解説します。


フィン=舵取り

フィンはサーフボードのボトム面に取り付けられた魚のヒレのようなもの。このフィンの役割は、船でいうところの「舵」。進む方向を決める上で大事な役割を果たす部位です。フィンレスボードという例外はありますが、サーフボードには必ずこのフィンがついていると言っていいでしょう。
ただし、ついている、と言っても、現代のサーフボードではほとんどの場合、フィンボックスが取り付けられているだけで、実際のフィンがあらかじめついているわけではありません。ユーザーがさまざまなデザインのフィンから自由に選んで購入し、自分で取り付けてボードとの相性や好みを確かめられるようになっています。近代サーフィンの黎明期にはオンフィンといって、樹脂でフィンがサーフボードに固定されており、取り外しは不可能でした。それが変わり始めたのは1990年代。FCSやFuturesといった取り外し可能なフィンシステムが登場し、瞬く間に市民権を得るようになりました。


フィンが一本のタイプ

とはいえ、サーフボードに取り付けられたフィンボックスの個数や位置は、ボードが完成したあとに変更することはできません。つまり、これはフィンセッティングがボードデザインの段階で決まっているということ。性能や乗り味はある程度、あらかじめ決定しているのです。
こうした前提のもと、フィンの本数による乗り味の違いを見ていくときに、まず挙げられるのがシングルフィンです。ボードのセンターに1本だけフィンを取り付けるタイプで、主にロングボードなどの大きめのボードに適したフィンセッティングです。1本のフィンでボードをコントロールするため、フィンは通常大きめ。直進性に優れる一方、急激なターンには不向きなので、ゆったりとしたサーフィンを楽しむにはぴったりです。昔からあるフィンセッティングで、クラシックなサーフィンを味わえます。
シングルフィンの派生としてポピュラーなのが、シングル+スタビライザーです。2+1(ツープラスワン)とも呼ばれ、シングルフィンに加え、サイドに小さめのフィンが2本取り付けられるようになっています。サイドフィンはいわば「補助輪」。2つの小さなフィンがターン時に海面に食い込み、ターンを容易にしてくれます。その場合、センターフィンはシングルフィンのときよりも小さめが標準。このフィンセッティングは、波や気分によってシングルフィンかシングル+スタビかを選べるのが強みです。主にミッドレングス〜ロングボードで採用されるフィンセッティングになります。


軽やかな乗り味のツイン

次に紹介するのは、フィンが2本のタイプ。ツインフィンと呼ばれ、さまざまなデザインのボードに採用されているフィンセッティングです。サイドフィンのみで構成され、センターフィンがないため、水の中での抵抗が少なく、ルースで軽やかな動きを味わうことができます。特に横へ進むスピード性能に優れており、キールフィンを用いたクラシックなツインフィンデザインのボードほどその傾向が強いです。一方、近年ではパフォーマンスツインと呼ばれるボードデザインもポピュラーで、そのタイプのボードはアップライトなフィンと組み合わさると、ツインフィンながら次回紹介するトライフィンに近い動きをすることで高い人気を誇っています。
ツインフィンは5’台の短いボードから8’台のミッドレングスまで幅広いボードに採用されていますが、ツインフィンに共通して言えるのは、コンペティションで使用されるようなハイパフォーマンスショートボードと比べてボリュームがあるボードとの相性が良いということ。いずれにせよ、フリーでルースなフィーリングが気持ち良いフィンセッティングと言えるでしょう。
また、そのツインフィンに小さなセンターフィン(トレイラーフィンやセンタースタビライザーフィンと呼ばれています)が組み合わさったタイプも一般的。基本的にはツインフィンというカテゴリーとなり、性能もツインフィンの特性を備えているのですが、このトレイラーフィンによってホールド性能がより高まり、さらにトライフィンに近い乗り味を楽しめます。ツイン+ワンと呼ばれるフィンセッティングです。

このようにフィンの本数によって、ボードの乗り味や性能は大きく変わってきます。次回では、現在もっともポピュラーなタイプであるトライフィンを始め、他のフィンセッティングについても説明していきます。

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