#72 “世界最強”スコッティ・シェフラーの生涯唯一のスイングコーチ ランディ・スミスとはどんな人物?

Posted on : July.03.2025

現在、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー選手は、これまで「マスターズ」で2勝し、今季の「全米プロゴルフ選手権」でメジャー通算3勝目を達成。PGAツアー通算16勝を挙げるプレーヤーです。“世界最強”に君臨するシェフラー選手には幼少期からスイングを見てもらっているランディ・スミス氏というコーチがいます。スミス氏とはどんな人物なのでしょうか?

世界ランキング1位のスイングコーチはアメリカの伝説的コーチ
昨シーズンは「ザ・プレーヤーズ選手権」で大会史上初の連覇を達成し、「パリ五輪」では金メダルを獲得。「全米プロゴルフ選手権」で優勝した今シーズンも、現在FedEXランク、賞金ランクで1位にいるのがスコッティ・シェフラー選手です。世界ナンバー1プレーヤーのシェフラー選手は、変則的なスイングをしていることでも知られています。一番のポイントはダウンスイングの両足の使い方です。ボーリングをするように右足を後ろに引きながらクラブを下ろし、左足がめくれ上がった状態でインパクトを迎えています。
独特なスイングですが、彼にもスイングコーチがいることをご存じでしょうか。コーチの名前はランディ・スミス氏。全米プロゴルフ協会のPGA・オブ・アメリカ・ナショナルアワードを18回も受賞し、1996年には最優秀プロフェッショナル賞を獲得。また、2002年に最優秀ティーチャー・オブ・ザ・イヤーに選出され、2005年に殿堂入りを果たしているアメリカでもっとも有名なコーチのひとりです。


スミス氏とシェフラー選手の出会いは20年以上前
スミス氏はシェフラー選手以外にも、1977年に全英オープンを制したジャスティン・レナード選手やライアン・パーマー選手、コルト・ノスト選手、ハリソン・フレイザー選手らを指導した実績があります。
「シェフラーは世界最強のプレーヤーだから、全米一有名なコーチを付けることができるのだろう」と思うかもしれませんが、2人は20年以上の付き合い。出会いはシェフラー選手が6~7歳の頃でした。
ニュージャージー州生まれのシェフラー選手は幼少期に家族でテキサス州に引っ越しをします。同州ダラスにはロイヤルオークスカントリークラブがあり、そこでヘッドプロを務めていたのがスミス氏でした。


“シェフラー少年”の才能を見抜いて熱心に始動
ある日、スミス氏がジャスティン・レナード選手のレッスンを終えると、彼の下にシェフラー一家がやってきました。シェフラー選手の父・スコットさんは、「息子がゴルフに夢中で指導者を必要としている。息子のスイングを見て欲しい」とスミス氏に相談します。
“シェフラー少年”のスイングを初めて見たスミス氏は、彼が毎回同じ球を打つことに非常に驚いたそうです。「クラブフェースの位置を感じながらスイングをしている。驚異的な手先の感覚を持っている少年だ」。
当時、スミス氏のジュニアレッスンは通常10分間でしたが、シェフラー少年へのレッスン時間はなんと1時間40分。その才能を見抜き、熱心にレッスンを続けたそうです。 2人の付き合いはこの日からスタート。スミス氏を“愉快なおじさん”と呼んでいたシェフラー選手は、「父親には聞けないことでも彼には聞けた。ゴルフ以外のこともたくさん教えてくれた」と当時を振り返っています。


両足をバタバタさせる変則スイングを修正しなかった理由
ところで、シェフラー選手は幼少期からスミス氏にスイングを見てもらっていたのにも関わらず、なぜ両足をバタバタさせる変則的なスイングを直されなかったのでしょうか。
スミス氏のレッスンのモットーは、プレーヤーの個性を尊重し、過剰な修正を避けること。足の動きが大きい“シェフラー少年”のスイングでしたが、スミス氏は当時から「アスリートらしい」と評価。スイングを無理に変えることはせず、微調整に徹して指導を続けたそうです。スミス氏の指導哲学が“世界最強ゴルファー”の基盤となっているわけです。
2人の関係は現在も続いており、今年の「全米オープン」の会場にもシェフラー選手を指導するスミス氏の姿がありました。この大会を制したシェフラー選手は、優勝会見でスミス氏との関係を聞かれ、「どれほど大切な存在なのか、言葉で表現するのは難しいです。彼は特別な人でゴルフのすべてを教えてくれた。言葉で表現するのは難しいですが、私にとって彼は間違いなく“家族”です」と答えています。
幼少期から世界最強プレーヤーになった現在まで、シェフラー選手のスイングコーチはスミス氏ただ1人。その関係性は今後も続いていくことでしょう。

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