シャフトの調子(キックポイント)とは、シャフト全長の中で最も軟らかくしなる部分がどこにあるかを表すもので、大きく分けると4つのタイプがあります。シャフトの先端側(ヘッド側)がしなる先調子、シャフトの中央部分がしなる中調子、シャフトの手元側(グリップ側)がしなる元調子(手元調子)、そして先端側と手元側にしなるポイントがあるダブルキックです。それぞれのキックポイントにはどんな特性があるかを理解すると、自分に合うシャフトを探しやすくなります。
ヘッドが加速してボールがつかまる先調子
シャフトのヘッド側が最もしなる先調子は、シャフトがしなり戻るスピードが速く、ヘッドが加速しやすいタイプ。飛距離アップが期待できるシャフトといえます。また、インパクトゾーンでフェースがターンしたり、上を向く挙動が起こりやすいため、球がつかまりやすく、打ち出しが高くなる傾向もあります。他にもスピン量が増えるのも大きな特徴といえるでしょう。
ただし、ヘッドが加速するということは、ヘッド挙動をコントロールしづらいタイプともいえます。また、元々ボールがつかまるゴルファーが使用すると、チーピンや引っ掛けが出やすくなる点も気を付けたいところ。スピン量が多いゴルファーは、スピンが増えすぎてしまい、球がふけて逆に飛ばなくなることもあります。
左のミスが出にくく強い球になる元調子
手元側にしなるポイントがある元調子は、シャフトが緩やかにしなり戻るため、切り返しからダウンスイングでタメが生まれやすく、ヘッド挙動をコントロールしやすいのが特性です。インパクトゾーンでの動きも比較的穏やかで、ヘッドが返りすぎず、左方向へのミスが出にくいのもポイントといえます。また、打ち出しの高さやスピン量が抑えられるため、直進性のある強い球になるのも特徴です。
ボールがつかまらないゴルファーが元調子のシャフトを使用すると、さらに右にミスが出る危険性があるので要注意。また、スピン量が抑えられる傾向があるため、元々スピン量が少ないゴルファーが使うと球がドロップして飛距離をロスすることもあります。
中調子とダブルキックは似て非なるもの
シャフトの中間部に軟らかさがある中調子は、先調子と元調子の中間的な特性があります。シャフトの真ん中あたりがしなるため、プレーヤーがシャフト全体のしなりを感じやすく、幅広いスイングタイプに合いやすいのもが特徴のひとつです。良い意味でいえばクセがないシャフトといえますが、他のタイプに比べると特徴がないシャフトともいえるでしょう。
一方、先端側と手元側の2か所にしなるポイントがあるダブルキックは、切り返しのタイミングでは手元側がしなってタメを作りやすく、インパクトゾーンでは先端側がしなり戻ってヘッドをターンさせたり、加速させるシャフトです。
手元側と先端側にしなるポイントがあるダブルキックは、結果的にシャフト中間部がしなることから中調子と表記されることがあります。シャフト中間部が最も軟らかい中調子とダブルキックは真逆の性能になるので、シャフト選びの際には注意が必要です。
2つの性能を融合させた「先中」「中元」にも注目
ダブルキックのシャフトは、自分のスイングにマッチすれば飛距離性能と方向性を同時に得ることができます。しかし、他のタイプに比べてしなり量が多いため、打ち手を選ぶタイプといえます。ヘッドスピードが速い人やボールを叩きに行くタイプには合わないケースが多いようです。
これらの4タイプに加え、先中調子や中元調子などと表記されるモデルもあります。シャフトの素材やテクノロジーの進化により、先調子や元調子の特性と中調子の打ちやすさを融合させたようなシャフトが増えてきているのは最近の傾向でもあります。
シャフト選びのポイントは“切り返し”の心地よさ
4タイプそれぞれの特性を理解すると、自分が求めるキックポイントが分かってくるはずです。ただし、実際に試打してみると「球がつかまりやすいはずの先調子のシャフトなのにスライスが出る」、「左のミスが出にくいはずの元調子なのに引っ掛ける」という場合もあります。そんな時は心地よく振れるかどうかをシャフト選びの基準にするといいでしょう。
“心地よさ”の決め手になるのは切り返しです。スイング中、シャフトに一番負荷がかかるタイミングで「硬すぎる」と感じたり、「軟らかすぎる」と感じると、力んだり緩んだりする原因になります。 また、フィニッシュまでしっかり振り切れるかどうかも大事なポイントです。自分のスイングに合っていないシャフトは、気持ちの良いフィニッシュをとりづらいもの。スムーズに振り切れるシャフトはスイングの再現性が高くなり、結果的に飛距離と方向性がアップする可能性があります。自分に合うシャフトを見つけて、さらなるスキルアップを狙いましょう。