PGAツアー通算82勝、4大メジャー15勝などを輝かしい記録を持つタイガー・ウッズは、これまで何度もスイング改造を重ねています。そんなタイガーを支えてきたのがスイングコーチたちです。プロデビュー期からケガを乗り越えて復活したタイガーをサポートした代表的な4人のコーチを紹介します。
アマ時代からプロデビュー初期に師事した名伯楽ブッチ・ハーモン
タイガー・ウッズは1996年にプロ転向し、翌年のマスターズで史上最年少優勝(21歳3か月14日)を果たしました。プロデビュー前の17歳からウッズが師事していたのがブッチ・ハーモン氏です。
ハーモン氏は、アメリカを代表するティーチングプロの一人。80年代後半から90年代前半はグレッグ・ノーマンやフレッド・カプルスをサポートし、タイガーのスイングコーチを務めた90年代後半は、フィル・ミケルソンの全盛期も支えていました。その後は、アダム・スコット、ダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、リッキー・ファウラーら、その時代時代のPGAツアーを代表する選手たちを指導しています。
タイガーのコーチを務めた2003年までの間に、メジャー8勝をサポートしています。
ちなみに、ブッチ・ハーモンの息子クラウド・ハーモン氏もティーチングプロとして活動し、ブルックス・ケプカやダスティン・ジョンソンのコーチを務めています。
200名のトッププロを指導 黄金期を支えたハンク・ヘイニー
ブッチ・ハーモン氏の後、タイガーのコーチを約6年間務めたのがハンク・ヘイニー氏でした。マスターズと全英オープンを制し、世界ゴルフ殿堂入りも果たしているレジェンドプレーヤーのマーク・オメーラを25年以上に渡って指導したほか、デビッド・デュバルらトッププロ約200人と11万人以上のアマチュアを指導した実績があります。タイガーの専属コーチを務めた6年の間には、メジャー6勝、PGAツアー31勝、世界ゴルフ選手権9勝をサポート。タイガーの全盛期を支えたコーチとして知られています。
タイガーの復活をサポートした “左一軸“のショーン・フォーリー
その後、交通事故やケガなどでツアーを長期離脱したタイガーは、復活のために新しいコーチと契約を交わします。カナダ生まれのショーン・フォーリー氏です。彼は、体に負担をかけないスイングを提唱する人物。左足体重で構え、左足1軸でスイングする「スタックアンドチルト」という理論は、当時の日本でも話題を集めました。
フォーリー氏は、ハンター・メイハンやショーン・オヘア、ジャスティン・ローズらを復活に導いた実績がありました。そんな評判を聞きつけて、復活を目指すタイガーが2010年8月から契約したわけです。その結果、2012年にPGAツアーで復活優勝を遂げるなど年間3勝をマーク。2013年は同ツアーで5勝をマークしました。
体にやさしいスイングを目指して クリス・コモと契約
復活優勝を遂げたウッズでしたが、2014年以降は何度も腰を手術するなど、再びケガに悩まされます。この時代に約3年に渡ってコーチを務めたのが4人目のコーチ、クリス・コモ氏でした。
コモ氏は10代の頃から著名なコーチの元でスイングを研究し、20代からティーチングの道に進みます。彼の理論の特徴は、体の動きを力学的な視点から分析して、効率的かつケガをしにくいスイングを追求すること。つまり、「バイオメカニクス」を取り入れていることです。ウッズと契約した当時はまだ無名でしたが、その後はブライソン・デシャンボーのコーチを務めてドライビングディスタンス1位に導くなど、デシャンボーのブレイクをサポートしました。
コモ氏とともに“体にやさしいスイング”を作りあげたタイガーは、2018年に劇的な復活優勝を遂げ、2019年にはマスターズも制しています。
コモ氏以降、ウッズはコーチを付けていないようです。2025年に7度目の腰の手術やアキレス腱の手術を受けるなど、復帰の目途は立っていませんが、“ゴルフ界のレジェンド”は復活に意欲を示し続けています。ケガを乗り越えたタイガーは、どんなスイングでゴルフファンの前に戻ってくるのか。今後のタイガー・ウッズの動向から目が離せません。