サーフィンする上でなくてはならない道具、サーフボード。ただ、ひと言でサーフボードと言っても、さまざまな種類が存在します。今回はその中でもポピュラーなデザインをいくつか挙げて紹介していきます。
レスポンスに優れたデザイン
なんといっても最もポピュラーなサーフボードのデザインは、パフォーマンスショートボードです。長さが6’前後で、ノーズが尖っており、幅が狭く、厚みも薄めの形が特徴。パフォーマンス性能を最大限まで高めたデザインで、ワールドサーフリーグ(WSL)のショートボードカテゴリーで見られるサーフボードの種類といえば一番わかりやすいかもしれません。現状、ショートボードのみが競技として採用されているオリンピックでも目にするボードデザインになります。つまり、主要なサーフィンのコンテストにおいて使用されているボードで、それが広く一般のサーファーにまで浸透しているということ。近年はパフォーマンスショートの使用率が下がりつつあると言われていますが、それでも最も売れているボードデザインで、サーフショップに行ってこのタイプのボードを扱っていないところはほとんどないと言えるかもしれません。
乗り味としては、とてもセンシティブ。波のポケットで鋭いマニューバーを繰り出したり、エアー系の技をメイクしたりするには最適なボードです。ロッカーも強めなので、ある程度斜面の急な波で真価を発揮します。ただ、その反面、テイクオフは遅めで、安定感には欠けます。ある程度のスキルと経験、そして体力があり、それなりのサイズの波が必要など、デザイン性能の最大化には一定の条件が必要。上手く操ることができれば楽しいですが、そうでなければサーフィンを楽しく感じない可能性さえ秘めたボードデザインと言えるでしょう。
ゆったりと乗りたい人に
パフォーマンスショートボードの対極にあるポピュラーなボードデザインがロングボード。ロングというだけあって長く、9’以上の大きさのものをこう呼びます。幅があり、厚みもあるので、全体的な浮力はパフォーマンスショートボードと比較にならないほど多いです。つまり、ボードが海の上で浮きやすく、軽いパドリングでもスピードがつけやすいので、乗れるサーファーの幅は広めと言えるでしょう。ショートボードよりも「ユーザーフレンドリー」と言い換えてもいいかもしれません。もちろん上手く乗りこなすにはスキルは必要ですが、経験が浅い人でもサーフィンを楽しむことができ、「とにかく波に乗る感覚を味わいたい」という人には比較的向いているデザインです。
ただし、ボード自体が大きいので、小さな波では真価を発揮する反面、大きな波では扱いづらいという側面も。ボードを波の下に沈めて行うドルフィンスルー(ダックダイブ)ができないため、押し寄せる大波を乗り越えることができません。また、ロッカーが弱めの設定なので、ホレた波も苦手。スモール〜ミディアムサイズの優しめの波を優雅に乗りこなす種類のボードと言えます。もう一つ、幅が広く重いので、陸上での取り扱いも少し困難です。小柄な人は持ち運びにも苦労する可能性があります。
良いとこ取りのボードタイプ
そして、ショートボードとロングボードの良いところをミックスしたボードデザインがミッドレングスです。近年、急激に市民権を得ている中間的な長さのボードで、サイズ的に明確な定義はありませんが、7〜8’台の長さのボードをこう呼ぶことが多いようです。全体的なアウトラインやロッカーなどはさまざまですが、十分な浮力があり、波をキャッチしやすく、それでいてターンなどもロングボードよりやりやすいデザインがこのボードの特徴。中にはギリギリでドルフィンスルーできるものもあり、スキルやパドリング能力が低くても幅広い波に対応できるデザインと言えるでしょう。もちろんショートボードほどレスポンスが速いわけでも、ロングボードほどテイクオフが速いわけでもありませんが、陸の上での取り回しも比較的楽で、小柄な人でも問題なく持ち運べるなどの理由もあって、人気は急上昇中です。
中でもサーフィンの楽しさを味わうことに特化したデザインであるファンボードは、特にビギナーにおすすめのボードとして知られています。ミッドレングスのカテゴリーに入るかどうか意見が分かれるものの、長さ的にはミッドレングスの部類で、スタイルよりも乗りやすさ重視のため軽く、安定感があるボードです。これからサーフィンを始めるという人以外にも、これまでのボードだとあまり波に乗れないという人や、サーフィンを久しぶりに再開する人など、一度サーフィンに立ち返るという意味では最適なデザイン。
といったように、サーフボードにはさまざまなタイプが存在しますが、他にもまだまだあるので、次回以降にまた紹介していきます。