ワールドサーフリーグ(WSL)の最高峰ツアーであるチャンピオンシップツアー(CT)は、毎年カリフォルニアのロウワートラッセルズで最終戦のファイナルズが行われていましたが、今年は開催地がフィジーのクラウドブレイクに変更されました。クラウドブレイクとは一体どんな波なのでしょうか?ファイナルズを直前に控え、その波の特徴を紐解いていきます。
南国に浮かぶサーファーの楽園
フィジーは、南太平洋のメラネシアに属する国で、正式名称はフィジー共和国と言います。フィジーには島や環礁が300以上も存在する、いわゆる南国の群島国家。その中でクラウドブレイクの波が割れるのは、フィジー本島の西の沖に位置するママヌザ諸島の一角、ナモツ島とタバルア島の沖合約5kmの場所です。海底が岩礁のリーフブレイクで、レフトの波は世界中のサーファーから高い評価を受けており、それゆえに世界チャンピオンを決めるCTの最終決戦、ファイナルズの舞台に決定しました。
波の特徴としては、1〜2フィートの小さなうねりから10フィートを超えるビッグスウェルまで対応するブレイクです。特に南〜南西からやってくる長い波長のうねりに敏感に反応。中でもうねりが西寄りの場合は厚くてヘビーなチューブになり、南寄りの場合はポイントブレイクのようにきれいに割れる傾向があります。
南東から吹く貿易風にも強く、よほど強く吹かなければクリーンなフェイスでサーフィンを楽しめるでしょう。
潮の干満に関係なく波はブレイクしますが、干潮から中潮がベストな潮回り。この時間帯は潮の流れが弱まり、ベストコンディションに整いますが、サーファーの数が最も多くなるので混雑する可能性も高くなるでしょう。
アウターリーフの壮大なブレイク
クラウドブレイクは、ナモツ島やタバルア島からボートで5〜10分、その他のママヌザ諸島や本島であるナンディからは20〜30分以上かかります。どこに滞在していてもパドリングでのアクセスは不可能なので、ボートを利用する必要があります。そのため、ナモツ島やタバルア島のリゾートでは、専用のサーフボートやガイドがパッケージに含まれていることが一般的。その他のリゾートに滞在する場合は、事前にサーフチャーターを予約しなければなりません。
サーフボードについては、一般的なハイパフォーマンス・ショートボードでもサーフィンは可能ですが、少し長めのステップアップボードを持って行った方が無難。波のサイズやスピードがあり、うねりが太いため、早めにテイクオフできるパドル力のあるボードがおすすめで、テール形状もピンテールのものを用意するといいでしょう。また、波にパワーがあり、海底もリーフなのでボードが破損するケースもあるため、予備のボードを準備しておくと安心。現地にはサーフショップがほとんどないため、ボードだけでなく、フィンやリーシュコードなどのアクセサリー類も余分に持って行くことをおすすめします。
非日常の波に出会える場所
ベストシーズンは南半球の冬にあたる4月から10月の乾季。この期間は、南西から安定したうねりが入りやすく、クラウドブレイク特有のスケールの大きな波がブレイクします。ただし、ローカルサーファーや腕に自信のあるビジターがラインナップに集まり、混雑することも。いきなりサイズアップすることもあるので、もしそのときのコンディションが自分のレベルを超えていると感じた場合は、無理に海に入らない判断も必要になります。
一方で、11月から3月の雨季は波が小さくなる傾向がありますが、サイクロンが発生することで一時的に大きなスウェルが入ることもあります。
クラウドブレイクは基本的に上級者向けのサーフポイントです。適切な装備と十分な経験が求められますが、自然条件、混雑、アクセス手段などを事前に把握し、決して無理をせずにアプローチすれば、一生の記憶に残る一本に出会えるでしょう。