#14 岩見天獅、16歳の本音

Posted on : November.13.2021

ハーレージャパン契約ライダーの若手筆頭株、岩見天獅が快進撃を続けています。

JPSAで13位、3位、9位と安定して好成績を残し、年間ランキングで現在3位。グランドチャンピオンを十分狙える位置につけています。残るは1戦のみ。そんな大事な一戦を直前にして、インタビューを敢行。弱冠16歳のコンペティターは今、なにを考え、どこを目指しているのか。本音を直撃しました。


明らかにラインが太くなった天獅。
16歳にしてこの高い完成度は驚異的だが、もっと驚きなのは、天獅にはさらなる無限の伸び代があるということだろう。

ネクストジェネレーションの急成長

-まずはプロフィールを教えてください。

「2005年6月19日生まれ、千葉県出身の岩見天獅です。ホームブレイクは志田下です。」

-高校生になって、プロにもなり、2021年はかなり大きな変化があったと思いますが、自分としては環境が変わってどんなところが成長できたと感じていますか?

「精神面の成長が大きいですね。合気道を習ったんですよ。平常心が大事だというのは知っていましたけど、合気道を習って本当に意味での平常心を学べました。これがグレードアップの大きな要因だと思います。それと体格かな。高校入学前は173cm65kg。今は175cm70kg。それによってライディング時のラインが大きくなったのと、体重を自分のボードに伝えられるようになってパンチが出てきたかなと思います。遠心力や体のバネを今まで以上に使えるようになったから、スピード自体も速くなりましたね。サーフボードも自分にしっくりくるモデルが完成したところが大きな成長につながっていると思います。ボトム形状はシングルコンケーブが基本なんですけど、レールが引っかからずにオールラウンドに対応して、タルい波でも問題なく乗れるボードです。体のバネとボードのしなりを生かしてターンのときに反発するようにもしたかったので、柔らかい素材のブランクスに変更しました。それによってライディングにドライブ感も出てきたと感じています。」

-JPSAでは経験豊富な実力者を次々と倒して上位進出。なにか意識的に変えた部分はありますか?

「常に挑戦の気持ちでいることです。あまり勝ちにこだわりすぎないようにしています。勝ちにこだわりすぎると抑え気味のサーフィンになってしまうので。先輩たちをぶっ倒すくらいの気持ちで挑戦するのがいいのかな、と。あと、全体的にサーフィンが柔らかくなったかなと思います。どんなセクションでも、体が伸びきっても、今は耐えられています。」

自信の裏付け

陸上でのトレーニングでは主にどんなことに取り組んでいますか?

「まずは土台作りです。基礎的な身体能力を上げられるようにしています。跳躍力だったり、体の軸や体幹だったりといったところですね。あとは可動域を広げながら、自分のいいところを伸ばせるように取り組んでいます。自分の特徴は体のバネと器用さ、順応性の高さ。もともとの身体能力を活かしながら、頭を柔らかくして考えられれば、順応性も上げられるかなと思います。」

-ヒート前の心掛けやルーティンはありますか?

「試合がある日の朝は、体と頭を起こすことを第一に考えています。まずはウォーミングアップ。3ヒート前から音楽を聴いて、雑音をシャットアウトしながら波をチェックします。試合前はとにかく集中する。20分ヒートのときは、じっくり待つのは最初の10分で、ダメならすぐに動くようにしています。波を待つポジションはあらかじめ2、3ヶ所決めていますけど、臨機応変に動けるようにいくつかのプランを頭に描いておきます。いずれにしても、自分から仕掛けていくのが基本ですね。波に乗れないまま負けるのが一番嫌なので。」

-最近の好成績で、これからも勝っていけるという自信がついたのではないでしょうか?

「自信もついたし、実際にスコアも出せています。サーフィンに勢いがつきましたね。対戦相手が自分のことを警戒しているのも感じますし。鴨川で行われたJPSAの大会でも実際そうでした。」

さらなる高みへ

-直近の目標を教えてください。

「田原で行われるJPSAの大会で優勝してグランドチャンピオンを獲ることです。JPSAで勝てば、みんなに知ってもらえますし。WSLについては、3月に志田下でQSの大会が行われる予定なので、そこで勝って、CSに参戦できるようにすること。海外に出たら年上ばかりで、みんな上手いし、大きい人だらけだと思うので、そんな対戦相手にも負けないようにしたいなと思います。」

-現状では海外での試合ができていませんが、それに対してはどんな気持ちですか? 焦りはありますか?

「もちろん焦りはあります。通常だったら積極的に海外に出て、QSを回っていたと思いますし。CSにしろQSにしろ、海外の大会は出場することでいろんな経験が得られますからね。あと、ジャッジについても、海外基準のスコアリングを経験できるのも大きい。」

-自分の現在地は、思い描いていた到達地点と比べてどうですか?

「今年は想像以上に成長できたかな。もともと今年はJPSAでトップシードの16番位内に入れば上出来だと思っていましたけど、まさかグラチャン争いができるとは。本当は今年、ワールドジュニアに出たかったし、ISAワールドサーフィンゲームスで優勝したかったですけど。社会的状況があってかなわなかったのは残念でした。今後は、ピークを2〜3年後に持ってきて、その状態を続けたいですね。18歳のときにCT入りするために、来年にはCSを回れるようにしたい。だから、3月の志田下のQSは絶対に勝ちたい。2年後にはオリンピックの選考もあります。それもクリアしていかなきゃいけない。もちろん2024年のパリには出たいですからね。」

Go, Tenshi!

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岩見天獅選手オフィシャルインスタグラム:https://www.instagram.com/tenshiiwami/

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