#78 日本の秋、サーフィンの秋

Posted on : September.30.2025

夏が終わり、9月も深まってくると、徐々に秋の気配が色濃くなってきます。少し寂しさを感じる人もいるでしょうが、サーファーにとっては嬉しい季節と言えるでしょう。そんな秋のサーフィンの魅力を探っていきます。


秋と台風の関係
秋になるとだんだんと気温が下がってきて、過ごしやすい気候になってきます。9月も後半になると明らかに夏の終わりを感じ、10月に入ると徐々に冬の準備に入ってきます。
ただし、気温と水温はちょっと別。水温が下がるのは気温の低下よりも遅いので、9月でも水温はまだ夏のように温かいままの場所も多め。特に日本の南の海域は水温が高く、熱帯低気圧や台風がまだまだ発生します。通常通りであれば、台風は10月でもやってきて、サーファーに極上の波を提供してくれるはず。
それでは、なぜ盛夏である7月や8月前半ではなく、9月から10月の秋に台風スウェルが頻繁にやってくるのでしょうか?それにはいくつか理由があります。

4つの理由
一つ目は7〜8月前半の台風が、まだ赤道近くで発生することが多いためです。その場合、十分に発達する前にフィリピンや南シナ海で陸地にぶつかるため、日本にまで大きなうねりが届かないのです。つまり、台風は発達するけれど、日本に対する影響は弱い、ということ。一方、秋の台風は日本近くの海域も水温が高く、台風が発生しやすいため、日本にも台風スウェルがやってくるというわけ。
二つ目は、8月の一番暑い時期は、勢力の強い太平洋高気圧が日本列島を広く覆うため、その高気圧がブロックして台風が日本列島に近づけないということが理由になります。それが秋になると太平洋高気圧の勢いが少し弱まり、日本に向かう進路を取りやすくなります。日本から比較的近い南海上を台風が通過する場合、日本の太平洋側の海岸に台風スウェルが届き、私たちサーファーはその恩恵を享受できる、というわけです。
三つ目の理由は、夏に温められた海域が日本の南海上の広範囲に及び、しかもまだ海水温が下がらないため、台風が日本列島に近づいている最中でも台風の勢力が減退せずに強いままを保つということ。台風が発達する条件は、高い海水温です。結果として、台風は勢力の強い大型に発達し、日本の太平洋岸に大きなうねりを届けます。
四つ目は、風との関係です。秋になると西に向けて吹く季節風、つまり偏西風が強まり、台風が北東方向へと進路を取るケースが増えます。そうなると日本列島を舐めるような形で南海上を進んでくる場合が多くあり、結果として太平洋岸にきれいにまとまったグランドスウェルが入ってきます。

すべては海水温と進路
近年は昔ほど台風が典型的な進路を取ることが多くなくなり、それが地球温暖化の影響と言われていますが、台風のうねりがやってくるかどうか、そのすべては台風の勢力と進路に左右されるというわけ。理想としては、日本の南海上の海水温が高く、台風が発生してからどの陸地にも上陸しないまま、勢力を減退させずに、日本列島を舐めるように比較的近場の南海上を進んでいくコースを取ることです。そういった台風の場合、日本に強い風をもたらさずに、きれいなうねりのみがやってくるので、生活には影響はなく、サーファーにとっては大変嬉しい状況となるのです。
これらこそ秋がサーファーの季節と言われる所以です。もちろん台風スウェルだけが秋のサーフィンの楽しみ方ではありませんが、普段あまり見かけることのない大きなうねりに備えて、体やギアを整えていくというのもサーフィンの醍醐味です。決して無理をせず、自分の限界を理解しながら、上手く台風がやってくる秋を楽しみましょう。

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