#106 潮と波の関係

Posted on : October.21.2026

海には干潮と満潮があります。時間帯によって海面が上がったり下がったりし、波の大きさや形などに大きく関わってきます。今回はそんな潮と波の関係について見ていきましょう。

天体の動き

潮の干満はどうやって起こるか知っていますか? 海面が上がったり下がったりする現象は潮汐と呼ばれ、サーファーの会話では単に潮やタイドと言われることもあります。潮汐は世界で局地的に起こっていることではなく、もっと大きなスケールの、宇宙を巻き込んだ自然現象で、月と太陽、そして地球の自転が関わっているのです。
地球からもっとも近い距離にある天体は月ですが、その月の方向にある海水は、月の持つ引力によって上の方に引っ張られます。そして、少し難しいのですが、その地球の反対側も月の引力が最も弱くなるため、地球の回転による遠心力が勝って同じように海面が上昇します。この引っ張られたときの状態は潮が満ちている状態です。
その満潮が発生している場所から見て、地球の中心を軸にほぼ直角の位置にある地域は潮が引いている状態、つまり干潮です。地球上にある海水の量は一定のため、満潮の地域で引っ張られて海面が上昇した分だけ、干潮の場所では海面が下がることになります。
ここに地球の自転の要素が加わります。この状態のまま、地球は約24時間で一回転するため、満潮と干潮が約6時間ごとに繰り返されることになります。これが潮の干満、潮汐が起こる原理です。

潮の巡り方

ただし、サーファーなら体験としてわかると思いますが、潮の干満の程度は同じではありません。いわゆる潮差と呼ばれる満ち引きの差が、月の満ち欠けによって引き起こされます。そして、この潮の干満の周期は潮回りと呼ばれます。
大潮は新月や満月の頃に起きる潮回りです。太陽と地球と月が一直線に並び、太陽と月の引力が両方とも働くため、潮差が最も大きくなります。つまり、大潮周りの満潮時は海面が最も大きく上昇し、干潮時は海面が最も大きく下降するということ。反対に、満潮時の海面上昇が最も少なく、干潮時の海面下降が最も少なくなる潮回りは小潮と呼ばれます。これは太陽と月が直角の位置関係にあることで、お互いの引力が引っ張り上げる力を打ち消し合っているため、潮差が最も小さくなるという理屈。
さらに、最も顕著な潮回りである大潮と小潮の間に、中潮、長潮、若潮がやってきます。中潮は文字通り大潮と小潮の真ん中の潮回り。適度な潮差が見られます。長潮は小潮の直後にやってくる潮回りで、干満の差が非常に少なく、満潮と干潮が長く続くことからこう呼ばれています。若潮は長潮の翌日にやってくる潮回りで、長潮で一度ほぼ止まったようになっていた潮の動きが、次の大潮に向かって再び動き始めることから若返る潮という意味でこう名付けられています。潮の動きが明らかに大きくなり始めるというのが特徴です。
月の満ち欠けは約29.5日周期。つまり、満月から次の満月まで約29.5日かかるということ。そして、大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮という一つのサイクルが約15日の周期で巡ってくるので、満月から次の満月までの間にこのサイクルが2回やってくるという計算になります。

波への影響

ここまで潮の干満について一般的な仕組みを述べてきましたが、それが実際、どう波に影響するのでしょうか? 最も大きな影響は水深の変化です。単純に言ってしまえば、満潮のときは水深が深くなり、干潮のときには水深が浅くなります。例えば海底が岩で構成されているリーフブレイクのポイントで、普段は2メートルくらいの水深のところが満潮時には2.5メートル、干潮時には0.5メートルになったりします。ということは、その場合、満潮時には波が割れづらくなり、干潮時には波が破れやすくなるということ。ただし、別の場所では、干潮時は水深が浅すぎてサーフィンできないスポットが満潮時にサーフィンできるようになったり、逆に満潮時には深すぎて波がブレイクしないスポットで干潮時にのみサーフィン可能な波が破れたりすることも。その変化が大潮のときには特に大きく、小潮のときには特に小さくなるのです。したがって、大潮のときは時間帯によって波のコンディションが変わりやすく、小潮のときはコンディションが比較的変わらないということが言えます。
このように、潮の干満は天体活動の結果起こる自然現象で、うねりの向きや大きさ、サーフスポットのブレイクタイプだけでなく、波のコンディションに多大な影響を及ぼす要素の一つです。その働きを十分に理解した上でサーフスポットへ向かえば、波を当てられる可能性がぐっと高まるでしょう。

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